かみのけ

ちょっと短くしてみたの。 あなたが好きなように。 あれ?分からないのかな。 もうちょっと短くしてみたの。 んん、気付かないみたい。 このままじゃわたし、つるつるてんになる。

今日も怠惰

いつものように窓際の席につく。 昨晩は、机の上でぼんやりと時間を、四角い部屋を、静寂を見つめていた。 気づけば夜明けに近づいていて、無理に造作した眠りについた。 街飛ぶカラスの声に、目が覚めた。 不思議といやらしい感じはしなかった。 時計を見れ…

かお

あなたが目をみてくると ぼくの目がうつってて あなたが頬をあかくすると ぼくの頬がはずかしがって あなたのちいさい口がほほえむと ぼくはあせっちゃって コーヒーカップに口をつける。 もうすっかりないのにね。

5月11日

笑ったり、真面目になったり、不機嫌になったりする言葉というヤツにずいぶん悩まされてる。 じわじわと感情に追い詰められている。 人はなんで表現するようになったんだろう。 始まりはなんだったんだろう。 月は話さないのにあんなに綺麗なんだよ。 ほら、…

桃色の鼓動

駅でゆらゆら、なんにもないけど海のような空を見る。 小さく飛行機が滑ってる。 時計だけが僕をなだめる。 凛とした微笑の蝶が来た。 美しい花ではないけど、いいのかな! くっついても馬鹿にされないかな! 桃色の鼓動が 草木を抜けて、僕を包む。 (学生時…

Kid A

それはぼくを揺らし、 ぼくをどこまでも軽蔑する。 それはぼくを踊らせ、 ぼくをいつまでも解放する。 夜空がぼくに「おかえり」と言う。 月はただただ手を握る。 恍惚と耽美が手足を祝福する。 天使がいたずらにシャツの袖を掴む。 悪魔がワインをこぼす。 …

ペヤング焼きそば

段ボールを開けると、故郷のあたたかい香りがする。 トイレットペーパー、洗濯用品、チョコレート、お茶漬け、頼んでおいたインスタントコーヒー。 そして、小さいころから好きだったペヤング焼きそばが六つ、母からの手紙。 夕方に降る雨の音と、寂しく見つ…

風にのって

頭に浮かんだプレゼント。 「どこから来たの?」 そのプレゼントは、いやらしく ちょっといたずらで 届かないところに浮かんでる。 「なんでそんなことするんだい!」 頭のなかでぼくは泣く。 それでもプレゼントはぷわぷわ浮かんでる。 「おばぁちゃんに借…

オードリー・ヘプバーン

オードリー・ヘプバーン。 いつからか、いつまでも踊るバレリーナ。 人を美しく戦慄させる、蝶のような目。 触れたくなる儚いくちびる。 手を巻いては、折れてしまいそうな彼女。 明日は一緒に朝食へいこう。 決して溶けない、ぼくの王女。 オードリー・ヘプ…

迷子

独りの時間がほとんど、いや、全てと言っていい生活を過ごしていると。 いやなくらい自分の情けなさが露呈してくる。 なんだか不機嫌なのは確かではあるけども、なぜ不機嫌なのかが掴めない。 行動が足りないのかもしれない。 未来への道が雑草に埋もれてい…

ある喫茶店

自宅から歩いて五分くらいにある喫茶店。 ビルやらコンビニやら牛丼屋が立ち並ぶなかで、ひっそりとして、どこか懐かしさを感じる洋風な入口。紳士的な印象さえ受ける。 店内には新聞紙を広げる常連客と思われる老人と、なにか電話で話し込んでいるサラリー…

親友S

多めに注いだウイスキーロックを何かを慰めるように飲んでいた。時刻は0時を少し過ぎた。 ぼんやりと文庫本に視線を落とす。いつものひとりの夜だ。 ふと、携帯に連絡が入る。Sだ。 電話はできるかとのこと。 そういえぱ、久しく故郷の人間とは話をしていな…