2021-07-27 狼の夜想曲 信じられるものは多くなく ほとんどが裏切られることになり 月光さす丘に臆病な狼が泣く その声に耳を貸すものはなにもなく 無数の星も彼ら自身を愛すだけ 戯れる風が唯一の友で それすらも少し冷たい やつれ、ほそく、びくびくとした私のからだ 狂った目はそれでもひとつの赤い月を睨む それでもなにも応えはしない ああ、静かな夜は安らぎなど漂いもせぬ 丘の麓の人間たちはもってのほかだ たったひとつ 多くは求めない なにか信じさせてくれ 包み込んでくれ 私は泣く、吠える