狼の夜想曲

信じられるものは多くなく

ほとんどが裏切られることになり

月光さす丘に臆病な狼が泣く

 

その声に耳を貸すものはなにもなく

無数の星も彼ら自身を愛すだけ

 

戯れる風が唯一の友で

それすらも少し冷たい

 

やつれ、ほそく、びくびくとした私のからだ

狂った目はそれでもひとつの赤い月を睨む

それでもなにも応えはしない

 

ああ、静かな夜は安らぎなど漂いもせぬ

丘の麓の人間たちはもってのほかだ

 

たったひとつ

多くは求めない

なにか信じさせてくれ

包み込んでくれ

 

私は泣く、吠える