2021-01-01から1年間の記事一覧

ふなたび

これからぼくは船に乗って、 誰も知らないところへ行くんだ。 虹色のクジラ。雲まで跳ねるイルカ。 さあさあみんな乗り込んで。 ほらほらおいで。ビルには何も無い。 夢もない。そうだろう? この船は電車にも変わるんだ。 きっと変わるさ。君がいればね。 …

2021/09/08

「言う者は知らず、知る者は言わず」 静かであれ、沈黙であれ、ただ微笑んでいよう。

グッド・バイ

私は偽善に反抗する。 恐ろしさからの大いなる反抗である。 人は人に怯えながら、気をつかって疲れながら死んでいくものなのでしょうか。 恋人にすら偽善を使わざるを得なくなり、 それに付き合いながら死んでいくものなのでしょうか。 結局は私にしか素直に…

無題

私は私でしかない。 あとは先人の思想。 人徳のある人々。

狼の夜想曲

信じられるものは多くなく ほとんどが裏切られることになり 月光さす丘に臆病な狼が泣く その声に耳を貸すものはなにもなく 無数の星も彼ら自身を愛すだけ 戯れる風が唯一の友で それすらも少し冷たい やつれ、ほそく、びくびくとした私のからだ 狂った目は…

気にしないで!

あいつに聞いたよ ずいぶんイカした男と一緒になったんだってね。 いや、そんなこと少しも興味なんてないさ。 あの日から眠れないんだけどね。 幸せになりな。 幸せになりな。 ぼくは大丈夫さ。 気にしないで! さてさて、どうするかな。 窓の外は昨日からず…

きみの花

きみが一粒の涙を流すたび、 きみのための言葉ではなく、 ただ、ぼくのための言葉だったと気づく。 きみが遠く離れるたび、 きみの背中をあたためることもせずに、 ただ、ぼくのからだをあたためようとしていた。 いつしか消えていきそうになったとき、 どれ…

無人島

一日に、すべてを明るく肯定し尽くすような光で照らされることもあれば、こころまで濡らすつめたい雨が降ることもある。まあ、大概は雲がどんより横たわっているがね。 僕はこの島に、なんの意志もなく流されるまま小さな筏でやってきて、いつもいつも浜辺で…

読書について(小さな幸福)

映画やアニメが好きなひと、日常的に観ている人は多い。 けれど「読書が趣味です。」とハッキリ言う人はそれに比べると少ないと思う。 それが良いとか悪いとかではない。 ぼくも映画が好きだし、一部作品によっては熱狂的なアニメオタクだ。 ただ、読書が好…

ホテルのソファにて

古本屋をやろうと思い立って、 そのレールに乗ると決意して、はや1年半。 本々堂に本格的に弟子入りしてからはや4ヶ月。 自分のしたいこと、やりたいことに集中できている日々。いや、集中させてもらっていると言う方が正しい。 祖父母、親、地元でお世話に…

23歳の肖像

毎日、毎日、空はグレーだった。 思いっきり、斜光を突きつける訳でもなく、 嘲笑うように、からだを濡らすのでもなく… いっそのこと吹き飛ばされ、消え去るといいとすら思ってたが、それすらも。 まちに出ても、無愛想な空気に嫌気がした。 通りを歩く人々…