2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

午前4:27

浮かない顔つきで赤信号を待つ。 夜寒に震える子猫のように。 せめて魂は美しくありたいと思う。 これを失っちゃあ取り戻すか死ぬかだ。 生きていても死んだようなやつもいる。 死んだはずなのに生きてるようなやつもいる。 この違はなんでしょう。 信号が青…

初冬の部屋で

文学をたくさん、思う存分に語り合える仲間がほしいのです。さらに言えば、哲学でも歴史でも音楽でもよいのです。 薄っぺらい偽善的な共感や同情などはいりません。ただただ、話す度に空気が高揚してくるような、己の血がうれしさに躍動するような、そんな感…

孤独の前奏曲

静かな書斎で、泣いた。 孤独は案外苦しいもので、逃げ出してしまうことが屡々ある。研がれ磨かれた輝く玉のような孤独を求めているにも関わらず。 お人好しが誰かの前に座らせる。そしてくだらぬ話をふっかける。 私が私自身を飼い慣らすこともできず、逃げ…

夢の旅

朝起きて、歯を磨き、会いに行く。 秋は静寂、静寂、静寂。 このまま、どこかの果てへ行きたいものだ。 人にはとっくに、倦怠した。 本を抱えて、ひとつの歌を口ずさみ、 古びた革靴が破れるまで。 こころが、わたしが、枯葉のように散っていくまで。 あても…

秋の松風園にて

小さな庵の庭を、ゆっくりゆっくり歩く。 ズボンのポケットに、少し冷えた手先を温めながら。 横顔にさした秋の夕焼けが、遠くの山の上から広がってくる。 庭の木々や鳥たちまでも、今日を懐かしく思っている。 目を空に向けると、枝先の真っ赤な紅葉が、秋…

分からないこと

僕には、世間一般の形式が理解できない。 いや、分からない。 それによって何が生まれ、何の利益があるのかが、分からない。 人は悠々自適な生活と精神を望んでいるはずなのに、何か目に見えぬ恐ろしい魔物の奴隷となっている。 それをなんとか無意識に目隠…