ホテルのソファにて


古本屋をやろうと思い立って、

そのレールに乗ると決意して、はや1年半。

本々堂に本格的に弟子入りしてからはや4ヶ月。

 

自分のしたいこと、やりたいことに集中できている日々。いや、集中させてもらっていると言う方が正しい。

祖父母、親、地元でお世話になった方々、親友、彼女、本々堂の店長さんとスタッフさん。

ふとひとりになった時、その人たちが応援してくださることに思わず涙がこぼれることもある。

 

決意してから、いろんなことを犠牲にした故に失敗し、自分を責めることもあった。人を傷つけたこともあった。お酒に溺れてしまったこともあった。

おそらくこれからもそんな時が時々やって来るだろう。

 

僕が目的地に設定した場所は、思っていたよりも長かった。険しかった。

なんとか毎日歩いているうち、とてつもない不安という名の、日も地に当たらない深い森や霧を前にして立ちすくむ。

 

それでも、進もうと思う。進まなければ、良くも悪くも変化はない。こわいけど、進むんだ。

 

そんなとき、支えの風が僕の背中を押してくれ、本が道を照らしてくれる。

 

それに助けられ、信じ、いまは進むしかない。

一寸先は闇。けれども一寸ずつ進めばいいじゃないか。

明日も、のんびりゆっくり、けれども強い思いを持ってまた道を行くのだ。

 

2021 4/21 大分、別府

某ホテルのロビーにあるソファにて。