きみの花

きみが一粒の涙を流すたび、

きみのための言葉ではなく、

ただ、ぼくのための言葉だったと気づく。

 

きみが遠く離れるたび、

きみの背中をあたためることもせずに、

ただ、ぼくのからだをあたためようとしていた。

 

いつしか消えていきそうになったとき、

どれほど傷つけたかを知る。

どれほど美しい人だったかを知る。

どれほど好きだったかを知る。

 

望んだ未来を、壊しているのはぼくだった。

 

消すことのできぬ過去の罪。

けれど、種を、また植えて

大きな、大きな、きみの笑顔の花を咲かせてみせよう。

その透き通った、純粋な笑顔の花を。

 

さあ、海に向かって、歌おう。

ふたりの夢の、カメラを持って。