夢の旅

朝起きて、歯を磨き、会いに行く。

秋は静寂、静寂、静寂。

 

このまま、どこかの果てへ行きたいものだ。

人にはとっくに、倦怠した。

 

本を抱えて、ひとつの歌を口ずさみ、

古びた革靴が破れるまで。

こころが、わたしが、枯葉のように散っていくまで。

 

あてもなく、海を、森を、砂漠を、歩みたい。

それらで吹く風、友として。

 

ああ、この飽きたこころに別れを告げ、

過去も記憶もさよなら、さよなら。

 

ポケットにつっこむ冷えきった手。

口ずさむ歌。

 

ずうっと夢見る、わたしのうた。