情けないことだが、吹っかけた。 エゴイズムを吹っかけた。 彼女のこころを視ることもなく、 幼稚な言葉が、どくどくと 口から溢れ出す。 瞳はかすかに白くなり、暗くなり、 彼女は濡らした、こどものように無邪気な目を。 涼しい山脈のような、大人しい目を…
浜をゆったり歩く男が 小石を拾って、ああ、まあるいと言う。 山高帽に月光が降り注ぎ 煙草の煙はたかく揺らぐ。 男はふと思い出す。 彼女を…やさしい花のような彼女を。 小石をようやく月に放り、 さらばと告げるは彼の過去? 僕はそれを窓から眺め、 晩夏…
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