2020-09-06 23歳のちいさな蛍 情けないことだが、吹っかけた。 エゴイズムを吹っかけた。 彼女のこころを視ることもなく、 幼稚な言葉が、どくどくと 口から溢れ出す。 瞳はかすかに白くなり、暗くなり、 彼女は濡らした、こどものように無邪気な目を。 涼しい山脈のような、大人しい目を。 許してくれ。許して欲しい。 若さだとも、虚栄心のせいだとも言わない。 ただ、ただ、あなたを想うがために 一匹の、弱った蛍のようなきもちで つい、つい、あなたを忘れてしまった。 こんな人間でも、愛してくれて… ありがとう。