23歳のちいさな蛍

情けないことだが、吹っかけた。

エゴイズムを吹っかけた。

彼女のこころを視ることもなく、

幼稚な言葉が、どくどくと

口から溢れ出す。

瞳はかすかに白くなり、暗くなり、

彼女は濡らした、こどものように無邪気な目を。

涼しい山脈のような、大人しい目を。

 

許してくれ。許して欲しい。

若さだとも、虚栄心のせいだとも言わない。

 

ただ、ただ、あなたを想うがために

一匹の、弱った蛍のようなきもちで

つい、つい、あなたを忘れてしまった。

 

こんな人間でも、愛してくれて…

ありがとう。