浜辺の男

浜をゆったり歩く男が

小石を拾って、ああ、まあるいと言う。

山高帽に月光が降り注ぎ

煙草の煙はたかく揺らぐ。

 

男はふと思い出す。

彼女を…やさしい花のような彼女を。

 

小石をようやく月に放り、

さらばと告げるは彼の過去?

 

僕はそれを窓から眺め、

晩夏の風と、男の思い出を頬に知る。